ゴミ出し前夜戦争

「5時から8時まで出せばいいなら8時に出せばよくない?」 「なんでそんなギリを攻めるんだよ。起きてんならさっさと出すだけだろ」 ゴミの袋を縛りながら千空が答える。 「じゃあマンションのゴミ捨て場って、蓋付きのボックスなんだからいまから出しておくとか…」 「テメー相変わらずだな。あれほど金狼にルールはルールだ、って言われてもまだそれか」 「だめ??」 「管理は管理会社がやってるとはいえ、一応『俺のマンション』だぞ。オーナー自らルール外選択するとか、治外法権もいいとこだろ」 「そっかー、責任ある立場って大変だね」 「…………テメーもその立場なんだよ、石神サンよう」 「……そっ、そうだったね!」 「…なんでそこで照れんだよ」 「……いやっ、ほら!うん!!」 「はーーー、話を戻すぞ。何時にゴミ出すんだ」 「し、7時…」 「合格」 「起きれなかったらどうするの?」 「叩き起こす」 「えぇ…」

ゴミ出し当日騒動

「ごめん!!千空!!寝過ごした!!」 バン、と寝室のドアが開く。 そのままの勢いで、バタバタと彼女がキッチンへと走り込む。 千空はコーヒーを飲みながら、無言で見ていた。 「今日わたしがゴミ出し当番なのに!やばい!!もう収集時間!!」 昨夜のうちに千空がまとめていたゴミ袋を抱え、彼女が玄関を飛び出した。 ──数分後 「やー、間に合った間に合った…」 千空は、満足気に帰ってきた彼女を一瞥する。 爆発した頭、服は起きたままのパジャマ。 「……完全に寝起きだな」 「えっ、だってそんなの気にしてる時間なかったよ!収集8時までだよ!?」 千空が壁掛け時計を見る。 つられて彼女も目をやる。 「……まだ7時じゃん…」 「叩き起こされる前でよかったな」 「あ……ほんとだ……」

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