インスタントラーメン

ラーメン!! 絶対食べる!! そのことだけを考えながら、駅の階段を一段飛ばしで駆け下りた。 今日は絶対絶対インスタントラーメン食べるって決めてるんだ!! しかもノンフライ麺じゃなくてちょっと食感がふにゃっとしたフライ麺のほう!! スーパーに飛び込んで、ラーメン売り場へ一直線。 みそ、 しょうゆ、 塩……どれでもいいけど、今日はみそにしよう。 レジカゴにインスタントラーメンを入れて、そのまま野菜コーナーへ。 大好きな見切り品コーナーには、いい感じの野菜炒め用カット野菜。 これだ! 千空からいつもブツブツ言われる見切り品だけど今日使うからセーフ! ついでに漬物コーナーでちょっと甘いキムチも買う。 レジで精算を終えて、家まで猛ダッシュした。 「ただいま!おかえり!ラーメンだっ!」 パチン、とスイッチを入れて灯りをつける。 買った荷物以外はポイポイとリビングのソファへ投げ捨て、バタバタとキッチンへ飛び込んだ。 手を洗って、ケトルでお湯を沸かす。 冷蔵庫にあった薄切りの豚バラをフライパンで炒め、塩コショウ。 野菜はカット済なので、時短のためにそのまま一度レンチンしてからフライパンに入れて、豚肉と一緒に炒めた。 ちょっと味見。 普通に美味しい。 これとごはんでもいい…いや今日はラーメンなんだった。 ラーメンの袋をバリバリ音を立てて開け、時計を見た。 千空いつ帰ってくるんだろ。 インスタントラーメンは作り置き出来ないのが難点だ。 まあ千空の分は千空が帰ってきてからでいいか! 勝手に先に食べるプランを立て、鼻歌交じりにケトルのお湯を鍋にあけた。 3分! あぁ、こういうときに千空が居れば「千空、3分たったら教えて!」で済むのになあ。 そう思いながらスマホのタイマーをセットする。なんならスマートスピーカーよりも千空のほうが正確だし。 時々鍋をかき混ぜながら麺をほぐす。 待ってる間にスープの粉をどんぶりに出す。 ほどなくしてタイマーが鳴った。 茹で汁をどんぶりに入れスープを溶き、そのあとに麺を入れる。 さっき作った野菜炒め、そして買ってきたちょっと甘めのキムチをトッピングして完成!!! 「ぜっっったい美味しい!大正解!!」 箸とどんぶりを持ってダイニングテーブルに着く。 千空ごめん先に食べるね!!! 「いただきまーーーす!」 はふはふしながら麺をすする。 ちょっとふにゃっとした想像通りの麺とスープの味が空きっ腹に染みた。 塩コショウしただけの野菜炒めも美味しい。 そしてこのちょっと甘めのキムチ! もう今日はこれ乗せて食べるしかないと思ってたけど、やっぱこれだった!! しあわせすぎる!と食べていたら、千空が帰宅した。 「ただいま。あ゛?美味そうな匂いするな」 「おはえひ」 「食ってから喋れ」 千空が手もとのどんぶりを覗き込む。 「ああ、ラーメンか」 「インスタントだけどね!もう今日はこれだって思って!」 先に食べちゃっててごめんね、と言うが、千空は構いやしねえと笑って答えた。 「トッピングキムチか。アリだな」 「でしょ?まだあるよ」 「なら俺もそれにするわ」 「作ろっか?」 「いや、自分で茹でる」 「ちゃんとタイマー使うよ?」 千空がジャケットを脱いで腕をまくる。 「テーブル運ぶまでの時間も逆算する」 「こまかっっ」 「なんなら追い麺でもするか?」 「えっ!たべる!!」 そんなインスタントラーメンの日のはなし。
2026/04/23 以前、ラーメンの日にXに載せたお話

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